紺碧のSpielplatz

ボードゲーム、カードゲーム、アナログゲーム、ときどき独り言

ウサギとハリネズミ(Hase und Igel)

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ヨーロッパ版うさぎとかめ

「うさぎとかめ」のように、のろまなほうが早いこともあるのです。
風変わりなこのゲームには、このモットーが当たっているかもしれません。
「ウサギとハリネズミ」の童話が示すように、大急ぎで走れば絶対勝つというわけではないのですから。

No.156

・ウサギとハリネズミ(Hase und Igel)

・David Parlett作

・Ravensburgger

・10歳から

・2人から6人

・時間…45分

・日本語化…イベントカードは日本語訳が必要です

・Spiel des Jahres受賞(1979年)

「ウサギとハリネズミ」は、なんと第一号Spiel des Jahres受賞作品です。
いろんな出版社から出ていますが、わたしが持っているのはRavensburger版です。
箱のうさぎはあんまりかわいくないけれど、イベントカードのうさぎはかわいいです。

ボードを広げます。
各プレイヤーは、うさぎこまと早見表、レタスカードを3枚、にんじんカードを
1のにんじん…3枚
5のにんじん…2枚
10のにんじん、15のにんじん、30のにんじん…各1枚ずつ
受け取ります。
5人か6人で遊ぶ場合は、30のにんじんをもう1枚増やします。

にんじんカードは手札にして、他のプレイヤーに見えないようにします。
残りのにんじんカードは、種類別にしておきます(箱に仕切りがついています)。

うさぎカードはよくきって、裏返しにして積み重ね、山札にします。
各プレイヤーは、うさぎこまをスタート地点の草の上におきます。
各ますにうさぎこまは1つしかおけません。

手番がきたら、前に進むか、後ろに進むか決めます。
・前に進む場合
空いているますにすすめます。
ただし、はりねずみのますには止まれません。
すすめるのに何ます必要か数え、早見表でにんじんが何本必要か確認します。
その本数ぶん、にんじんカードを出して、こまをすすめます。
にんじんのおつりは出ます。

・後ろに進む場合
後ろに進む場合は、にんじんカードは必要ありません。
今いるますから、1番ちかいはりねずみのますまで戻ります。
戻った数の10倍のにんじんがもらえます。

ただし、1番近いはりねずみのますに他のうさぎこまがいる場合は、後ろに進むことはできません。
その次の手番では、また前に進んでもかまいませんが、その次のはりねずみに他のうさぎこまがいなければ、そのはりねずみのますまで戻ってもかまいません。

各ますの意味
・うさぎ
このますにとまったら、うさぎカードを引いて、その指示に従います。

・にんじん
このますにとまったら、その手番では何も起きません。
その次の手番で
→にんじんカードを出して進む

→ますにとどまって、10にんじんもらうか、10にんじん戻す
ことができます。
何度も続けてとどまり、にんじんを集めたり、減らしたりすることができます。

・順位(数字)
このますにとまったら、その手番では何も起きません。
その次の手番で、その時の順位と数字が一致したら、順位の10倍のにんじんがもらえます。
にんじんをもらったあと、手番を行います。

・レタス
ゴールに着く前に、レタスはすべて食べなければなりません。
レタスを食べるには、レタスますにとまります。
その手番では何も起きませんが、その次の手番でレタスカードを捨て札にし、その時点の順位の10倍のにんじんをもらえます。
その次の手番では、かならずうさぎこまを動かします。
ますにとどまって、続けてレタスを食べることはできません。
また、もうレタスカードがないプレイヤーは、レタスますにとまることはできません。

・はりねずみ
にんじんがなくなってきたら、後ろに進んで1番近いはりねずみのますにとまります。
うごかしたますの数(3ます戻ったら、3)の10倍のにんじんがもらえます。
ただし、1番近いはりねずみのますに他のうさぎこまがいた場合は、スタート地点まで戻ります。
その代わり、スタート時にもらえたにんじんをもう1度もらえます。

ゴール
ゴールに到達するには条件があります。
・レタスをすべて食べた
・1位は残りのにんじんが10以下であること、2位は20以下、3位は30以下…であること
ゴール地点(草原の上)も1ますと数えます。
1番最初にゴールした人が勝ちです。

 

天気の悪い午後に、1号、2号、わたしの3人でプレイ。
序盤は3人ともちびちびとすすむ…「にんじん、すぐなくなっちゃうね」と2号。
早見表を見て、1号は「20ますすすむのに210にんじんって…」と絶句。
「だから、レタスがあるし、にんじんますもあるんだよ。あと順位ますも」と言うとため息(笑)。

やってみると、早見表で確認するのが結構めんどくさいことに気がつく(笑)。
「7ますすすみたいので、28にんじん」と宣言するようにはしたけれど、おつりを出すのにも手間取る。
…というのは、カードの構成がなぜか1、3、5、10、15、30、60で、日本人はもちろん、たぶんヨーロッパ人も使いにくい構成なのです。

話が少しそれますが、日本円は1と5で構成されているのに対し、ユーロは1,2,5の構成です。
日本円に慣れていると、ユーロの2の存在がややこしく感じることがあるのです。
なのに、このゲームでは3にんじん…遊んでみたら使いやすいのかなと思ったけれど、全然(笑)。
わたしだけでなく、1号、2号もとまどっていました。

何度か遊んでみて、わたしはにんじんをため込みすぎてゴール前で苦労するのが分かったので、今回はすすみながら集める作戦(って、作戦っていえるのかかなり疑問・笑)。
1号も同じ作戦をとったみたいだけれど、うさぎカードで遊んで(笑)いきなりにんじんを半分にさせられる(笑)。
2号は、スタートダッシュをかけたものの、やっぱりうさぎカードでにんじん減らされて、にんじん貧乏(笑)に。
2人ともロクな目に遭わないのに、うさぎカードが気に入ったらしい(笑)。

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ゴールは目の前なのににんじんが多すぎる(笑)

最初は、わたしが3位をキープして、サラダますにとまり30にんじんをかせぐ。
途中でそのおいしさに気がついた2号は、あえて3位の位置で3のますに止まり、30にんじんをかせぎ、そこからハリネズミに戻って40にんじんかせぐ、を何度か繰り返す。
どうやら、そこから一気にゴールする作戦らしい…ちょっと遠すぎると思うけどなぁと思っていたら、早見表を見て電卓まで出してきて計算した2号「…にんじん630本ってどうやってためたらいいの?」…って、ホントにそっから一気に行こうと思ってんの?

結局ヤケを起こして、またうさぎカードをひく2号…「この手番ではにんじんを払わなくていいんだって。やったーって言いたいけど、3にんじんだよ?うさぎカード、いいこともあるって言ってたけど、全然ないじゃん!」
「説明書のどっかに、いいことも悪いこともありますって書いてあったってば」とわたしが言うと、「説明書は信用しちゃダメなんじゃない?」…信用しちゃダメなんだ(笑)。
すると横から1号が「信用しちゃダメなのは、説明書じゃなくて、たぶんままだよ」…なにぃーっ(笑)。
※後で確認したら、説明書には書いてありませんでした…確かにままは信用しちゃいけないらしい(笑)。

中盤になると、1位わたし、2位1号、3位2号の順番が固定される(笑)。
序盤でためたにんじんをちまちまと使いながらわたしは前進、1号も2位をキープしながらはりねずみでにんじん追加、2号は…まだ3のますとはりねずみの往復(笑)。

わたしは、最後のレタスも食べてあとはゴールするだけ、でにんじん確認したら、40本も多い(笑)。
仕方がないので、にんじんますに止まってにんじんを戻す。

その間に、かなり差をつけたはずの1号が一気に追い上げてくる。
2号は…まだ往復してる(笑)。
ところが1号、わたしがにんじんますに居座っているので計算が外れる。
残っていたレタスを食べて、20本にんじんが増える…「もういらないのにー」(笑)。

結局、にんじんを戻しきった(笑)わたしが1位、2位確定で20本にんじんを残してもよくなった1号が2位。
3位の2号は「最後までやらせて!」というので、にんじんがたまるまでがんばって一気にゴール!!

Spiel des Jahresを受賞した1979年には、たぶんものすごーく斬新なデザインだったんだろうなと思いました。
今遊んでも、多少古めかしさは感じても、充分おもしろいです。
1号も2号も「にんじんの計算はめんどくさいけど、おもしろい」とのこと。

すごろくですすむといえば、さいころの目次第で「動かされる」という感じですが、「ウサギとハリネズミ」では自分で「動かす」感じがして、すごく楽しい。
どこでどう休むか、どこでどうにんじんをもらうか(戻すか)など、考えることは多くて、対象年齢が10歳以上というのも納得。

ただ、仕方がないとはいえ、早見表を使うのはちょっと手間かなと思いました。
あと、にんじんカードの数字…1と5、どうしても増やしたいのなら2、のほうがなじみやすかったのではないかと。
2でもとまどうわたしは、3にイライラしました(笑)。

それでも、負けたら=「もう遊ばない」宣言(笑)の2号が「これはまたやりたい」と言っていたので、今でも楽しめるゲームだと思います。
とりあえず、ためて一気にゴールはあんまり得策ではないみたいです(笑)。

 

☆今日のありがとう☆
ずーっと気になっていたゲーム、気がついたらどこにも売ってない!!
あわててあちこち探して、よーやく見つける…それが今日届きました。
が。
思ったより箱が大きくて、びっくり…どこに隠そう(笑)。